流れ星 基礎知識


流れ星 基礎知識


夜空にきれいな軌跡を描きつつ一瞬だけ流れる、流れ星。
みなさんは流れ星を見たことはありますか?
ここでは、流れ星と彗星の違いや、流星群について紹介します。


流れ星とは?

流れ星は、正式には「流星」と呼ばれます。宇宙に浮かんでいる小さなチリが地球の引力につかまり、大気に飛び込んできて、それが摩擦熱で燃えながらプラズマ化する現象です。
それを地上から見ると、キラリと光る筋に見えるのです。
だいたい地上100kmくらいの大気中で燃えて光ります。
決して、みなさんが夜空で見ている星座を形作っている「星」が「流れ」るわけではありません。
もしそうだとしたら、星座の形はどんどん変わってしまいますよね。


チリの大きさ

流れ星のモトになる、小さなチリは、せいぜい数ミリの砂粒や石ころです。みなさんの予想よりも小さかったのではないでしょうか?
中には大きいチリもありますが、それでも数センチ程度です。この場合、流れ星としてはかなり明るく見え、「火球」と呼ばれたりします。
ものによっては、流れ終わった後も数秒間「もやもや」に見える残留物を残すことがあり、これを「流星痕」と呼ぶことがあります。(1998年のしし座流星群の時は、とても見事な流星痕が観測されました)

ちょっと余談です。
某「機動戦士ガンダム」の第5話で、ジオン軍のモビルスーツ「ザク」が大気圏に突入して燃え尽きるシーンがありますが、あれは地上から見たら異常に明るい流れ星になったはずです。昼間でも見えるんじゃないでしょうか。


流れ星と彗星との違い

流れ星と彗星は、みかけが似ているために、それらを混同する人が多いと思います。
流れ星は一瞬で終わる大気中の発光現象です。基本的にはあとには何も残りません。

彗星は、周期的に太陽の周囲を回る天体です。中でも76年程度の周期で地球に近づく「ハレー彗星」が有名です。1997年には「ヘール・ボップ彗星」が話題になりました。
(宇宙戦艦ヤマトの「白色彗星」を思い出した人は、ちょっと古いかも(笑))
彗星の正体は、雪や砂粒の塊のようなものです。彗星は太陽に近づくと熱で溶けてきて、それが「尾」になり、流れ星と似た形になります。
流れ星のモトになるチリは大変小さく、ミリ単位ですが、彗星の核の大きさは通常数キロメートルにも及びます。

流れ星は地上から見ると、キラリと光って、その瞬間しか見えません。
彗星の移動速度は速いのですが、遠くにあるために、地上から見ると事実上その場に停止しているように見えます。キラリと流れて消えたりはせず、常に見えっぱなしというわけです。

なお、流れ星のモトであるチリは、くだんの彗星が宇宙にばらまいていったゴミが大半です。
彗星はその尾のために「箒」の形に見えるため、「ほうき星」などと呼ばれることもありますが、掃除をするどころか、ゴミを垂れ流しながら飛んでいるのです(笑)。まあ、おかげで、流れ星が見えるのですが。


流れ星と隕石との違い

流れ星のモトになるものは、彗星から生まれた小さなチリですから、地上に落ちる前に燃え尽きてしまいます。
それに対して、チリではなく、岩石や鉄の場合は、燃え尽きずに地上に落下することがあります。これが隕石です。
隕石の多くは、小惑星帯から飛んできた破片です。
大まかに言えば、彗星が起源であるものを流れ星、小惑星帯が起源であるものを隕石ということになります。


流れ星はいつ見える?

流れ星のモトになるチリ、すなわち「流星物質」は絶え間なく地上に降り注いでいます。
ですから、街明かりの少ない山の中などに行けば、一晩に何個かの流れ星を見ることができるでしょう。
明るい都市では、よっぽど明るい流れ星でないと見ることができませんが。
しかし、毎年、特に流れ星がたくさん見える時期というものがあります。
これについては、次の「流星群とは?」を参照してください。


流星群とは?

彗星は常に宇宙空間にチリをばらまきながら移動しています。それは彗星の軌道上に集中的に残ります。
その軌道を、地球が横切る時、特に多く流星が見られます。
この時、空の特定の場所から放射状に流れ星が出てくるように見えます。
流れ星が出てくる中心となる1点を「輻射点」あるいは「放射点」といいます。
その輻射点のある星座の名前をつけて、「〇〇座流星群」と呼びます。
例えば、「ペルセウス座流星群」は、毎年8月12日〜13日頃にピーク(極大日といいます)を迎える流星群ですが、ペルセウス座という星座を中心に、1時間に50個ほど流れ星が見えます。

1999年の主な流星群はこちらです



  1999/11/14 no-be-