リニア彗星を観よう!


リニア彗星を観よう!



20世紀最後の肉眼彗星である「リニア彗星」の観測方法を紹介します。

リニア彗星登場!

20世紀末には、話題の彗星がいくつも登場しましたね。
1994年には、シューメーカー・レビー第9彗星が木星(の裏)に衝突しました。1995年には、百武彗星が、1997年にはヘール・ボップ彗星が明るく光っていました。そして、2000年には今世紀最後の明るい彗星である「リニア彗星」が登場します。

百武彗星は百武さんが発見した彗星です。シューメーカー・レビー第9彗星は、シューメーカー夫妻とレビーさんが9番目に発見した彗星です。
それに対してリニア彗星は、「リニアさん」という人が発見した・・・わけではありません。アメリカのリンカーン研究所チームが発見した彗星です。
Lincoln Near Earth Asteroid Research(略称:LINEAR)という計画があり、日本語に訳すと「リンカーン近傍小惑星調査計画」ということになります。地球にぶつかりそうな小惑星など調査しているプロジェクトなのですが、その過程で発見された彗星をリニア彗星と呼びます。
実は発見された彗星は1つだけではなく、これまでに50個近く見つかっています。現在話題になっているいわゆるリニア彗星は31番目に発見されたもので、正式名称は「C/1999 S4」となります。

リニア彗星が見頃なのは、7月中旬から8月上旬です。
7月23日に地球に最接近し、7月26日には太陽にもっとも近くなります。
これらの時期は一番明るくなるはずです。時間的には夕方から夜にかけて見えます。

ただ、どれくらい明るくなるか、詳しいことは実際に地球に近づくまではわかりません。最初の頃は2等星ほどになると言われており、大期待の彗星だったのですが、最近ではせいぜい4等星ぐらいでは?という声もあります。
いずれにせよ、肉現で見ることのできる彗星であることは間違いありません。

彗星をよく知らない人の中には「彗星というものは凄いスピードで動いているので、流れ星のように一瞬しか見えない」と思っている人もいるかもしれません。
ですが、実際には夜空の一定の場所に止まっているように見えます。凄いスピードで移動しているのは確かですが、広大な宇宙にとっては微々たるものです。
しかしながら毎日見ていると、見える場所が少しづつ移動していることがわかるでしょう。

以下に日付別に見える場所を紹介します。



7月26日 20:00

春の星座は、冬のオリオン座のようにはっきりと形のわかるものが、それほど多くありません。
北斗七星を目印にしましょう。わかる人はしし座も目印になります。
上の図では説明上、彗星の尾をはっきりと書いていますが、実際にはぼーっと見えると思います。彗星の明るさ次第です。4等星ぐらいでは、空がある程度暗くなければ見ることができません。できれば光のない場所に行って見たいものです。

7月20日よりも前の場合、夕方ではなく明け方に見えます。でも明け方に起きるのは辛いでしょうから、ここでは割愛しました。20日以降の夜に見ましょう。

双眼鏡を持っている人は、それを使うとよく見えます。
天体望遠鏡は倍率が高すぎるので、頭の部分しか見えません。

明るくなるといいなぁ。何よりも、晴れますように。


  2000/6/17 no-be-