いやだ、乗りたくない!

いやだ、乗りたくない!


世の中には、「これには乗りたくないなぁ」と思わせる、格好悪い乗り物があります。

いきなりディープな話題で恐縮なのですが、昔ウルトラマンタロウという作品がありました。番組中には怪獣から地球を守るZATという防衛組織があるのですが、そこで使用されている車の格好悪さは特撮史上最強クラスでしょう。
「ウルフ777」は高速の攻撃用特殊車両という設定です。デザイン的にはクラウンをベースに、いろいろなパーツを非常識なまでにゴテゴテくっつけて、人知を超えた派手さを醸し出しています。子供心に、「うっわー、格好悪い」と思いました。ちなみに、現在では車検は通りません。
「ラビットパンダ」は、パトロール用特殊車両という設定です。デザイン的にはバモスをベースに、ウィングやら丸っこい鼻やらがついています。ボディ形状がダサすぎるのはまだいいのですが、なんでわざわざをつけるかなぁ。
街に怪獣が出現して、何らかの理由でZATに保護されて、「安全のため、この車に乗っていきたまえ」と言われたら、私はどんな犠牲を払っても断りますね。

ラビットパンダ

以前、どこかの玩具系ホームページでラビットパンダの玩具の画像を入手したので紹介します。(どこのホームページが覚えていないので、無断掲載です。ごめんなさい)
ウルトラマンタロウ作品中では、こんなみっともない車が堂々と街中を走っていたというわけです。強烈な世界ですね。



さて、ここから本題。
私はしばらく前に、三重県の伊賀上野に遊びに行ってきました。
そこは忍者の里という事で、忍者にちなんだものがたくさんあります。ここでは忍者のデザインの乗り物を2つ紹介しましょう。

まずは忍者電車
早朝に上野市駅前の駐車場に車を停めたら、凄い電車が目に飛び込んできました。
なにしろ、ピンク色の女忍者(くの一)の全身像が、まいったかとばかりに電車の形にあわせて描かれているのです。
そして、電車の正面には、ご丁寧に忍者の顔の正面アップが。
なんというバカ電車!
正直言って、タチの悪い冗談かと思いました。

忍者電車


暫く呆然としていたら、偶然にもホーム反対側にもう一台の電車が到着。こちらは青い色をした男の忍者のようです。
予想もしていなかった2段コンボに、私は頭が痛くなってしまいました。
駐車場のおじさんの話によると、有名なマンガ家のデザインらしいのですが、それが誰だか全然予想もつきません。(白土三平でないのは確かですが)
もし忍者の絵が隅っこにシルエットか何かで小さく描かれていたら格好いいかもしれませんけど、全身ですからねぇ。さしずめ、忍法電車変化といったところでしょうか。
この電車が実際に走るのは怖いですよ。ガリバーのように巨大な忍者が、強烈なスピードで地上をゴゴーッと滑走していくのですから。巨大な顔が近づいてくるのはインパクトありそう。
そのまま想像が膨らみ、機関車トーマスとか、ヒカリアンとか、そんな世界を想像してしまいました

なお、この路線は全ての電車がこんなデザインなわけではありません。普通の時間には普通の電車が走っていましたので、安心してください。


最後に、忍者バス
伊賀上野を散策していると、「ミニバス忍者号 停留所」という怪しい看板を発見しました。
どうやら観光用に、伊賀上野の街をぐるりと案内するバスの停留所のようです。
気にはなったのですが、1日に数回しか走らないバスのため、ちょうどタイミングが悪くて見ることができませんでした。
・・・と思ったら、偶然そのバス会社の駐車場を発見。
ミニバス忍者号はこんな感じでした。

ミニバス忍者号


なんというバカ車でしょう!
の、乗りたくない・・・!
石原プロとかの刑事番組で犯人を追いかけるために車の天井にしがみつく刑事は格好いいですが、このバスの忍者は全会一致で格好悪いです。
それにしても、なんで男の忍者なのにピンクの衣装を着ているの?こんなに目立つのは忍者でも何でもないでしょ。
しかもこの脱力感溢れるマヌケづらときたら!キャラクター設定上、この忍者は相当ドジなキャラであると容易に想像がつきます。それに、きっと十中八九食いしん坊です。

しかしまあ、これらバカな乗り物を偶然発見するなんて、私の伊賀上野の旅は非常に有意義だったと言えます。(ホントか?)



今回の結論;
 でも、この乗り物をつくった本人は大真面目なんだろうなぁ。



<追加情報>
皆様に掲示板等で報告していただきました。作者は松本零士(宇宙戦艦ヤマトや銀河鉄道999の作者)です。 言われてみれば、いわゆる「松本美女」の顔してますな。


  2000/3/11 no-be-