ウラン濃縮研究棟の火災事故について
- 件名 : ウラン濃縮研究棟の火災事故について
- 発生日時 : 平成9年11月20日(木) 午前1時15分
- 場所 : 日本原子力研究所 東海研究所
- 施設名 : ウラン濃縮研究棟
- 状況
平成9年11月20日午前1時15分、ウラン濃縮研究棟からの火災報知器の警報が中央警備詰所で発報した。
午前1時32分、警備員が管理区域内の原子蒸気実験室からの煙を確認し、火災発生と判断した。
午前2時35分、自給式空気呼吸器付き全面マスク、タイベックスーツなどの防護具を装備した東海村消防署員3名及び職員1名が管理区域入口において線量当量率に異常がないことを確認した後、原子蒸気実験室の扉を少し開け、複数個のカートンボックスから炎と煙が上がっていることを確認した。
火災確認後、直ちに消火作業を開始し、バケツに入った消火砂5杯をかけて炎が見えなくなったことを確認した。
午前3時10分、現場の状況を再確認するため、職員2名がそれぞれバケツ2杯の消火砂を携帯し、東海村消防署員1名とともに現場に再度入った。原子蒸気実験室では幾つかのカートンボックスがくすぶっていたため、携帯した消火砂をかけるとともにバケツ 1.5杯分の水をかけた。
現場を観察したところウラン屑を入れた金属缶のうち、1個の金属缶の内缶及び外缶の蓋が外れていることを確認した。外缶の蓋は約 1.5m離れた床の上にあった。内缶の蓋は3個の止め金が外れ、外缶内に残っていた。蓋の外れた金属缶については、消防署員の了解を得て、防火上の安全を期すため消火砂用バケツに移した。
午前3時40分、東海村消防署員が鎮火を確認した。
- 原因
金属缶内のウラン屑が何らかの原因で発熱し、金属缶の内圧が上昇したため蓋が外れウラン屑が噴出し、カートンボックスの上にばらまかれ燃えだしたものと推定される。
なお、原因については、調査のうえ後日報告致します。
- 影響
周辺環境への影響は無い。なお、消火作業中に排気ダストモニタの指示値が通常の値の4倍に上昇したが、排気中放射能濃度の測定により自然放射性核種によることを確認した。
管理区域入口直近の非管理区域部に極微量のスポット汚染を確認したが、その部分を除いて管理区域外の汚染はなかった。
消防署員及び職員の被ばく線量の測定結果は、検出下限以下であり、有意な被ばくは認められなかった。
- 対策
11月21日に設置した「ウラン濃縮研究棟火災事故調査委員会」において、原因を究明し、今後の対策を講じる。
なお、対策については、後日報告致します。
申し訳有りません。
自己紹介をしようとしていたのですが、間違って事故紹介をしてしまいました。
謹んでお詫び申し上げます。
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