早食い入門/各論1

早食い入門
各論1 〜早食いの基礎〜


 それでは、どうやったら早く食べられるか、その方法について言及しよう。せっかくだからこれを読んで、みんなも早食いになってちょうだい。(別になりたくないって?)
 基本と言える秘訣はたった2つのみ。

 まず第一に、とにかく口の中に食べ物を入れること。
 食べ終わらなくとも無理矢理次を口の中に押し込むのだ。そうすれば苦しいから嫌でも食べることになる。単純なようだが、これが一番効果的である。この結果、噛む回数が減る事になる。はっきり言って消化には良くないが、食べている時間を減らすためには、必要以上に噛んではいけないのだ。私の場合、どうやら平均5回ぐらいしか噛まないようだ。食べているうちに咀嚼物はどんどん口の中から喉の方へに移動していき、5回目くらいで飲み込み、次の補給を受け入れる体勢になる。
 ちなみに、麺類はあまり噛まなくともちゃんと消化する。だから麺類こそ早食いに適した料理なのだが、えてして麺類は汁物で熱い事が多く、なかなか早食いにはしんどい相手だ。熱さに耐えることは私の次の課題である。

 早く食べる方法の第二は、マルチタスクをこなす事である。
 食べるという行為は、(1)口で食べ物を噛んだり飲み込んだりする事と、(2)手で箸などを使って食べ物を掴み口に運ぶ、という2つの行動で成り立っている。そしてここが重要なのだが、これらは同時に行うことができるのだ。すなわち、口で咀嚼している間に、次に口に運ぶべき食べ物を食べやすい大きさに切り、口の中にスキマができるかできないかのタイミングで、それをすかさず口に運ぶのである。この2つの行動の連携が良ければ良いほど待ち時間がなくなり、高速化につながる。食べるのが遅い人はこのマルチタスクができていず、もぐもぐと食べている間に、手はお休みしているのである。そして口の中のものを飲み込んでから、初めて箸を動かす。無駄な待ち時間が多いというわけだ。
 マルチタスクはパソコンOSでも行われているくらい有効な手段なので、早食いでそれを鍛えたら日常生活にもこれを応用しよう。同時に2つ以上の事ができるならば、なるべく行い、無駄な時間を減らすのだ。これでさらに時間を有効に使うことができる。私もそうなのだが、やりたい事が多くて1分でも多くの時間が欲しい人はぜひやってみよう。

 というわけで、早食いは使えるようで意外と役に立たないスキルではあるが、一人暮らしの人にはかなり有効な能力なので、覚えて損はないだろう。
 さあ、明日から特訓だ!まずは無理矢理口に詰め込む〜っ!(笑)

 次の項では、次のステップとして、「早食い上級者向けの道」を論じることにしよう。

− つづく −


  1999/03/30 no-be-